プロジェクトストーリー

Project Story
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インフラ整備

先人の知恵と志を後世へ
歴史を守り、農業を支える
先人の志をつなぐ改修工事

世界かんがい施設遺産に登録された「上江幹線用水路」は、およそ400年前に工事が始まったとされる歴史ある水路。今も現役で機能し、広範囲の農地を潤しています。2020年にその改修工事に携わったことは信頼の証。当社の輝かしい実績の一つです。

上江用水路の歴史をたどる

History 01

世界かんがい施設遺産の「上江幹線用水路」は、上越市と妙高市の山腹沿いを中心に築かれた全長26kmの水路。およそ400年前に工事が始まったとされる歴史ある施設です。

そもそも用水不足による干ばつ被害などに悩まされた農民が、自力で開削したのが上江用水の始まりでした。といっても、土木機械のない時代の難工事です。さらに場所によってはトンネルの掘削を余儀なくされたり、水路の掘り継ぎや資金の工面に苦心したりと、多くの障壁がありました。先人たちを支えたのは、農作物の生産性を確保するために「一滴でも多く水が欲しい」という切なる願い。それは時代を超えて受け継がれ、昭和に入ると現在のようなコンクリート三面張りの水路となり、安定した農業経営の支えとなったのです。

上江用水路の歴史をたどる
上江用水路の歴史をたどる

強みをスムーズな施工に生かして

History 02

三原田組を含む数社で携わった改修工事。数百年の時を経た現代でも、やはり苦労はありました。それは施工時期の問題です。上江用水は、約3,000haの水田に用水を供給する大規模なかんがい施設。工事によって耕作を止めるようなことがあれば、どれだけの損害を生むか分かりません。必然的に工事日程は稲刈り後に設定されましたが、当該地域は降雪も多い。真冬までには大部分の施工を終えなければならないという、とてもタイトなスケジュールを強いられたのです。

当社の持ち味は地域に強いこと。だから地理に詳しく、町内会とコミュニケーションも取りやすい。そんなフットワークの軽さと信頼を今こそ役立てようと努めた結果、無事、スムーズな施工に貢献することができました。

強みをスムーズな施工に生かして
強みをスムーズな施工に生かして

改めて思う、大切な使命

History 03

もちろん、持てる技術も遺憾なく発揮しました。この改修工事は、いったん農地の下に水路をくぐらせ、再び地上に揚げるというサイフォン工法が採用されていました。地形を考慮して、サイフォン工法のまま大きく長い用水管をどうやって入れ替えるか?これは私たちにとっても未知なる難しい挑戦でした。その際は、人が中に入れるほど巨大な口径1,650mmの管を接続するなど施工方法を社内で検討し、当社にとっても貴重な経験をすることができ、大きな学びとなりました。

天候には多少左右されたものの、心配されていた工期の問題もしっかりとクリア。翌年の春、見渡すかぎりの水田に無事作付けが行われた様子を見て、心から安堵し、喜びを噛みしめました。当社は用水路工事のほかにも、ため池工事や圃場整備なども行っています。建設工事を通じて、農業をバックアップする。それも私たちの大切な使命であることを、この改修工事を経て再認識しました。

改めて思う、大切な使命
改めて思う、大切な使命